支援室紹介
環境社会共生体研究センター高山試験地の紹介(科学研究基盤技術支援室)
高山試験地は環境社会共生体研究センターの研究・教育施設であり,岐阜大学からは遠く離れた高山市の郊外に位置し,乗鞍岳の麓の標高1342mの山の中にあります。こちらでは冷温帯地域の森林および農耕地の炭素循環の研究が推進されています。その最も中心となる研究サイト(通称:高山サイト;AsiaFlux TKY)はおよそ50年生の落葉広葉樹林内に設定されており,ダケカンバ,シラカンバ,ミズナラなどが林冠層を形成し,林床はクマイザサに覆われています。当地では1993年の冬から微気象学的な手法による二酸化炭素フラックスの観測が継続されており,アジア地域では最も長期間のデータを蓄積しています。フラックス観測と並行して,バイオマス計測や土壌呼吸測定,植物の光合成・呼吸特性などの生態学的な手法により炭素循環と収支のメカニズムの解明を目指しています。2004年冬には常緑針葉樹林(AsiaFlux TKC)にもタワーを建設し,2005年からフラックス観測を継続しています。
高山サイトでの炭素循環研究は,当センターの教員・学生のみならず,産業技術総合研究所・筑波大学・北海道大学・国立環境研究所などの学外の研究者や学生も推進しており,共同作業や共同研究を通じた研究交流が盛んに行われています。利用者の方々は数日に渡って調査・観測を行う場合もあり,高山試験地には宿泊室・食堂・浴室が完備されています。現地の職員はそういった方々の利用・調査がスムーズに行われるようサイト・設備の保守管理をしたり,調査・観測の補助などを行っています。
温暖化の影響を調べる
気温や地温の上昇が樹木の光合成や土壌中の生物の活動に及ぼす影響を,実験によって調べています。
温室効果ガスを調べる
温室効果ガスである二酸化炭素(CO₂)をこの森がどれくらい放出,または吸収しているのかを調べています。
マスコミによる報道
今年7月末に,ある研究グループのプロジェクトの一環として高山試験地周辺に全国から研究者が集まり,キャンペーン観測が行われました。その様子が中京テレビ「アプデの森」で紹介されました。是非ご覧ください。
森のCO2吸収力を一斉調査!【アプデの森】 – YouTube
地球温暖化が森のCO2吸収を弱める?【アプデの森】 – YouTube